「会社がつらい。毎朝起きるのが憂鬱だ。」
「会社やめたいけどもう50代。やめた後、どうやって生きていけばいいのか?」
このような悩みを抱える50代の方も、多いのではないでしょうか?かつての私も、まさに同じでした。
しかし、50代の退職ほどリスクは少ないといえます。50代は、未来のコストやリスクがわかっているためです。50代こそ会社をやめて、フリーランスで生計を立てていくべきでしょう。
この記事では、50代が退職を考える原因や退職後の3つの選択肢について解説します。退職する際の注意点や、フリーランスになるために準備すべきことについてもお伝えしますのでぜひ参考にしてください。
50代が退職を考える4つの原因

50代が退職を考えてしまう原因はなんでしょうか?主な4つの原因についてみていきましょう。
モチベーションが低下する
若いときは知識や経験不足から、吸収すべきことがたくさんありました。失敗や挫折を繰り返しながらも、日々成長が実感できたでしょう。
しかし、50代は以下の理由でモチベーションが下がることが少なくありません。
- 役職から外れ社内での存在価値がうすれいてる
- 仕事がマンネリ化して成長する実感がない
- 人材育成が思うように進まない
スキンケア製品を手掛ける株式会社シーオーメディカルが、「50歳を過ぎてからの仕事に対する意識変化」をリサーチしました。結果、50代の58%が仕事のモチベーションが低下していると回答しています。

出展:PRTIMES「50歳を過ぎてからの仕事に対する意識変化」
ビジネス環境が変化する中、今の仕事にやりがいを感じていない50代の姿が見受けられます。
定年後の不安がつきない
定年後の不安の理由でもっとも大きいのが、「お金の不安」ではないでしょうか?
人生100年時代に突入したことで、人生が80年から100年まで伸びる可能性がでてきました。定年後の20年が、倍の40年になってしまうのです。年金が十分もらえるのか?定年までの貯蓄で40年もの長い期間生活できるか?不安になるのも仕方がないでしょう。
50代は、体力の衰えを顕著に感じる年代です。また、親の介護などの問題に直面するのもこの頃でしょう。「自分も介護が必要となったときどうなっているのか」、と心細くなってしまいます。
管理職となり責任だけ負わされる
コロナ禍を境に、業績が不安定になった企業は少なくありません。特に管理職になると責任ある立場から、「業績低下=自身の処遇」に不安を感じてしまうでしょう。
業績回復への出口が見えない状況では、管理職への業務負担は増える一方です。以下のような症状になやむ方も多いのではないでしょうか?
- 管理職になってから、十分な睡眠が取れない
- 日々決断の連続で、心労が絶えない
- 部下が育ってくれないので、どうしていいかわからない
30代から40代前半の世代は、苦労している50代を見て「管理職になるのは損」と考え始めています。このような「管理職アレルギー」が増えているにもかかわらず、経営陣は「だれもが管理職になりたがっている」と考えている傾向が少なくありません。
世代交代を迫られる
50代は、若い世代から以下のように見られているケースもあります。
- 給与に対して見合う働きをしていない
- 空気を読まず周囲を不愉快にすることがある
- 変わることに抵抗を示す
- デジタルツールに対応できない
会社も早期退職をうながすなど、雇用するコストが高い50代社員の処遇に動き始めました。
スキルや経験を棚卸せず「給料以上の価値」が提供できない50代は、会社に居場所がなくなってしまう時代になったといえるでしょう。
50代で退職した後のプラン3選

思い切って退職を決断したあと、50代にはどのような選択肢が残されているのでしょうか?考えられる、3つのプランについてみていきます。
転職する
ひとつめの選択肢が「転職」です。
50代の経験豊富さや、スキルに期待する企業は少なくありません。転職でのキャリアアップも可能です。
リクルートが実施した、「転職動向の調査」をみてみましょう。50~64歳のいわゆる「ミドルシニア」の転職決定数は、2017年を1とすると2021年は5.67と増加しています。

50代ですぐに転職先が決まる人には、以下のような特徴が見受けられます。
- 業界や職種のスキルや経験が豊富で実績がある
- マネジメントに優れている
- 幅広い人脈を持っている
しかし、これらはごく限られた人といえるでしょう。大半は、50代の転職は収入が下がることを覚悟しなければいけません。

出展:東京新聞Tokyo Web「『なぜ残った?居場所はないよ』早期退職を迫られた50代は…リスキリングも転職もいばらの道」
50歳から54歳の半分以上が、「収入が減った」と回答しています。50代で転職が成功しない人の特徴は、以下の通りです。
- 50代の転職市場の動向を把握していない(希望する求人の倍率が高い)
- 自分の強みを理解していない(経験、実績などの棚卸ができていない)
- 退職してから転職活動する(精神面や収入面の負担が大きい)
- プライドが高い(謙虚に振る舞えないので、トラブルを起こしやすい)
会社を立ち上げる
ふたつめの選択肢は、「会社を立ち上げること」です。
商法の法改正で「新会社法」が制定され、株式会社設立のハードルが下がりました。有限会社は最低300万円、株式会社は最低1,000万円必要だったのが(最低資本金制度)、新法では1円からでも会社設立が可能になったのです。
また、以前は会社設立には取締役3人と監査役1人を選任する必要がありました。しかし、法改正後は取締役1人でも設立可能です。
会社を立ち上げるためには、「事業計画」が欠かせません。
- どの業種か?
- ターゲットは?
- なにを提供(販売)するか?
- どういう方法で?
競合の市場調査や、業種の3~5年後の未来予想も必要になるでしょう。以下のような、資金が利用できる制度も活用できるようになりました。
- 経営革新等支援機関(中央企業庁が制定した、中小企業に対して専門性の高い支援をする
- 都道府県等中小企業支援センター(都道府県等が実施する中小企業支援事業)
個人事業主になる
最後の選択肢が「個人事業主」。つまり、「フリーランス」として活動することです。
かつては「フリーランスで仕事する」となると30代が主流、40代はギリギリで50代は厳しいという見方が大半でした。しかし、ここ10年で変化があらわれています。50代のフリーランスと業務委託契約を結ぶ企業が、かなりのペースで増加しているのです。
理由は、以下3点があげられます。
- 人手不足(特に優秀な人材はどの業界の企業も困っている)
- 価値観の変化(会社員での安定した働き方から、フリーランスで自由な働き方へ)
- フリーランス人材の増加(フリーランス人口がふえ、マーケットが形成され始めた)
フリーランスで収入を得る方法も、以下のように多様化しています。
- 個人で営業して顧客を獲得する
- クラウドソーシングサイトに登録して、マッチングできるクライアントを見つける
- 前職の会社と業務委託契約を結び、外注先として今までしてきた業務を受ける
50代で個人事業主として働く場合は、大半がスモールビジネスになるでしょう。スモールビジネスとは、小規模で始められる事業を指します。
50代にとってスモールビジネスが最適な理由はとしては、以下があげられます。
- 最小限の投資でビジネスが始められる
- 自分の裁量で自由に働ける
- 仕事にやりがいを見いだしやすい
- 自己責任で仕事するので納得感がある
50代の退職ほどリスクが少ない理由とは?
50代で退職することを、必要以上に恐れてしまう風潮が世間一般に見受けられます。
30年以上サラリーマンとして働いてきた50代は、時間を奉仕してその対価としてお給料をもらう概念が自然にしみついているといえるでしょう。
インターネットでも、50代の退職はおすすめしない記事を多くみかけます。しかし以下の状況なら、50代の退職ほどリスクは少ないといえるのではないでしょうか?
- 子どもが社会人になったため、学費や生活費などの出費がなくなった
- 配偶者(妻、夫)が働いているため、安定した収入がある
- 住宅ローンの返済が完了した、もしくは完了の目途がついた
- 貯金が増えた
- 副業で別の収入源がある
20代や30代では、将来のリスクやコストは想像がつかないものです。たとえば、子どもが「医者になるため海外で留学したい」といえば、その夢をかなえてあげたいと思うでしょう。
一方、50代ともなれば、その後の人生で必要になるコストは大方想像がつくはずです。後の人生がある程度想像できるため、必要なコストも把握できるのです。そう考えると、「退職しても大丈夫だ」と思える50代は少なくないでしょう。
50代が退職する際に持つべき3つの心得

50代が勢いで退職するのは、おすすめしません。退職を考えた際に持つべき、3つの心得についてお伝えします。
最悪のケースを想定する
起業するにせよ転職するにせよ、退職してから上手くいかなかったケースを事前に想定しましょう。
起業したけど仕事が取れず収入が得られなかったり、転職後の会社になじめずやめてしまったりするケースも少なくありません。収入がゼロになることも、考えられます。
まずは生活にかかる固定費を見直し、最低限必要な生活費用を算出しておきましょう。次に、現在の貯蓄額でどれくらいの期間耐えられるかを把握します。転職の場合は、失業保険も利用できます。
最悪収入がゼロになっても、どれくらいの期間生活できるかを事前に想定しておくことが大切です。
家族の理解を得る
50代での退職となると、家族の同意は得にくいもの。
家族、特に生活をともにするパートナーや子どもへは相談を密にして、退職前に理解を得ましょう。そのためには、今後のライフプランや生活資金の確保について細かく説明しなければいけません。
説得を後回しにして黙って退職すれば、家族関係に亀裂が入る恐れがあります。あくまで、「自分はこのように考えていて〇〇したいので会社をやめる。生活は〇〇で心配することはないから、応援して欲しい」と伝えることが大切です。
円満に退職する
勤務先の会社とは、できるだけ円満な状態で退職することを心がけましょう。
長年付き合ってきた会社との関係は、お互いにとって資産になります。退職後も、ウィンウィンの関係になるのが理想だといえるでしょう。
円満な退職には、以下のようなメリットがあります
- 転職後、前職の企業とビジネスでつながる
- 退職後、前職の企業から外注先として仕事が得られることがある
- 退職して個人事業主になってからも、前職の資源が活用できるケースがある
退職してフリーランスでビジネスを始めようと考えている場合は、円満退職は欠かせません。自分の経験やスキルを一番理解してくれるのは、長年勤務した会社だからです。
50代からフリーランスになる前に準備すべき3つ

50代で退職しフリーランスになると決意したら、準備すべき3つについて解説します。退職前に、より入念に準備することをおすすめします。
社会保険や税金について理解する
50代でフリーランスになった場合、会社員時代との違いで一番とまどうのが社会保険や税金についてです。
勤務先の会社が、すべて代わりにやってくれていたことにきっと感謝するでしょう。
健康保険は、会社員時代に加入していた保険協会に任意継続にするか、国民健康保険に加入しなければいけません。これまでは保険料の半分は会社が負担してくれたため、フリーランスになると保険料の支払い額の多さに驚くことが少なくありません。
年金については、会社員特有の「厚生年金」に加入できません。年金を手厚くするには、自分で対策をたてる必要があります。また、労災保険や雇用保険がないことも認識しましょう。
税金については、会社員時代は会社がすべて処理してくれました。しかし、フリーランスになると自分で確定申告しなければいけません。
要するに、「今年はこれだけ利益がありましたので、これだけの額を税金として納めます」と自分で計算して申請しなければいけないのです。
これらの知識は、フリーランスには欠かせません。退職する前にしっかりと内容を理解して、どうしてくかをシミュレーションしておきましょう。
固定費を見直す
「固定費は下げられるだけ下げる」が、フリーランスの鉄則だといえます。どうしても、収入は不安定になってしまうためです。収入がコントロールしにくいなら、固定費をコントロールするしかありません。
固定費を見直す方法には、以下があげられます。
- 事務所などの家賃(おすすめは自宅で仕事する)
- 通信料(格安SIMの活用など)
- 保険(生命保険や車両保険、その他)
- 住宅ローン金利(優遇なものに借り換え)
- 車(サブスクやカーシェアの活用)
- 各種会費(クレジットカード、WEBサービスの月額課金など)
固定費を下げることは、退職前から実施しましょう。フリーランスへの準備をするうえで、最初に着手するべきことです。
副業で複数の収入経路をつくる
会社員時代から、できれば他の収入経路を獲得しておいたほうが良いでしょう。
決まった日にお給料をもらうのは、サラリーマンとしては当たり前の感覚です。しかし、フリーランスになると成果報酬のケースがほとんどになります。結果に対して収入を得るので、慣れていないと戸惑ってしまうでしょう。
そのためにも、会社員時代に副業で「自分で稼ぐ感覚」を身につけることをおすすめします。1円でも自分で稼いだ経験は、その後のフリーランス人生で役立つでしょう。
50代の副業は、体力を使わないものを選択してください。隙間時間に手軽にできる、以下のような在宅ワークがおすすめです。
- せどり(転売)ヤフオクやメルカリ、アマゾンなど
- WEBライター
- WEBデザイナー
- 動画編集
- スキル(テキストやコンテンツ)販売
- コワーキングスペースなどのレンタル業
WEBライターやWEBデザイナー、動画編集などのクライアントワーク(企業や個人から仕事を受注する)は、今では多くのクラウドソーシングサービスが存在します。以前に比べて、格段に個人でも仕事しやすい環境になりました。
まとめ.50代での退職ほどリスクは少ない!
いかがでしたでしょうか?
50代での退職について、あまりネガティブに考える必要がないことがおわかりいただけたでしょう。
将来のリスクとコストがみえている50代ほど、起業に向いている年代はありません。その際は、スモールビジネスがおすすめです。
ゆっくりと、確実に。あなたらしいやり方でストレスなく始められるでしょう。
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